採用計画と体制
2026.10.18 公開
読了 3分
採用担当が1人の会社で、
何を手放し何を残すか
採用担当が1人の会社では、全部をやろうとした月から崩れます。崩れる原因は能力ではなく、手放す判断を誰もしていないことです。残す作業と渡す作業を分け、月のどこに置くかまで決める手順を書きます。
崩れるのは、忙しさではなく順番
1人で採用を回している会社で起きるのは、求人票の修正が後回しになり、面接の日程調整に半日が溶け、内定者への連絡が週をまたぐ、という流れです。どれも単体では小さい。小さいまま積み上がって、応募から面接までの日数が伸びます。先に手をつけるべきは作業の速さではなく、作業の仕分けです。
渡せる作業と、渡せない作業
仕分けの基準は一つです。やり直しがきくか、きかないか。日程を一度間違えても謝って組み直せます。見送りの連絡を一週間放置した印象は戻りません。この線で並べると、迷う作業が減ります。
No
作業
どう扱うか
01
面接日程の調整、会議室の確保
渡す。手順を一枚にして、総務や事務の担当に移す
02
応募者への一次返信
渡す。定型文を三種類つくり、送信だけ任せる
03
求人票の文面を決める
残す。現場の言葉を拾えるのは採用担当だけ
04
見送りの連絡と理由の記録
残す。判断の履歴が次の基準になる
05
面接での見極めと、現場への引き渡し
残す。ここを削ると採用の質が落ちる
06
求人媒体の掲載更新、応募者一覧の整理
渡す。作業手順が決まっていて判断が入らない
渡す作業を書き出したら、受け手を名前で決めます。「手が空いた人」では戻ってきます。週に何分かかる作業かも一緒に伝えると、引き受ける側が予定を組めます。
二つのやり方を比べる
1人体制の立て直しには、大きく二つの方向があります。どちらが正しいかではなく、自社の採用人数と時期で選びます。
01
社内で薄く分ける
日程調整を事務、現場見学の案内を配属先、最終判断を経営に振り分ける。費用は増えないが、依頼と確認の手間が毎回かかる。通年で少人数を採る会社に向く
02
外に出してまとめる
母集団づくりと一次の絞り込みを外部に任せ、担当は面接と口説きに集中する。費用は増えるが、繁忙期の山を越えやすい。短期間に複数名を採る会社に向く
どちらを選んでも、面接の判断と候補者への連絡は担当の手元に残ります。ここまで外に出すと、入社後に現場との話が合わなくなります。
月を四つに割って置く
仕分けただけでは動きません。週ごとに何をする月なのかを決めます。採用人数が月に一、二名なら、この程度の粗さで足ります。
- 第1週:求人票の見直しと、現場への募集状況の共有。ここでしか文面は触らない
- 第2週・第3週:面接に集中させる。この二週は他の採用作業を入れない
- 第4週:見送りと内定の連絡、記録の更新、翌月の面接枠を確保する
- 毎週決まった曜日に30分、応募者の滞留を確認する時間を取る
面接を二週に寄せると、現場の管理職にも予定を押さえてもらいやすくなります。「来週どこか空いていますか」を毎回繰り返すより、先に枠を取る方が早い。
よくある間違い
忙しい月に真っ先に止めるのが、見送り連絡と記録です。逆です。止めるなら求人票の手直しと媒体の新規開拓を止めます。候補者に関わる連絡を止めた月は、その後の紹介や再応募が細ります。
現場への頼み方を書き換える
1人で回す会社ほど、現場への依頼が曖昧になります。曖昧な依頼は戻ってきません。期限と作業量を文に入れます。
Before
採用を手伝ってほしいので、面接の日程を調整してもらえませんか。
After
来月の面接を第2週と第3週に入れます。火曜と木曜の14時から16時を、二週分だけ空けてください。候補者への連絡はこちらでします。
頼む側が作業量を示せば、相手は断るか受けるかを即決できます。返事が遅い依頼は、たいてい中身が見えていません。
面接設計のご相談も承ります。
要件を伺った時点で、ご紹介できる見込みがあるかを正直にお伝えします。完全成果報酬です。
今月やること
大きな体制変更は要りません。三つで足ります。一つ、今やっている採用作業を紙に書き出し、やり直しがきくものに印をつける。二つ、印のついた作業の受け手を名前で決め、手順を一枚にして渡す。三つ、来月の面接を二週に寄せ、現場の予定を先に押さえる。この三つを終えた月から、候補者への返信が遅れる回数が減ります。採用の体制は、人を増やす前に順番を決めるところから変わります。
就活・転職グランドスラム編集部
最終更新 2026.10.18
