配属と育成
2026.09.26 公開
読了 3分
教える人がいない現場で、
新人をどう育てるか
育成担当を専任で置ける会社は多くありません。それでも新人は入ってきます。指導の時間を新しく作るのではなく、すでにある業務の中に育成を埋め込む。そのための手順を、今週から動かせる形で並べます。
専任がいないことは、育てない理由にならない
育成が止まる会社には共通点があります。「余裕ができたら教える」と決めていることです。余裕は来ません。だから、教える時間を別枠で確保する発想をやめます。業務の前後に数分を足す形に変えれば、現場の負荷はほとんど増えません。競技経験者は練習と振り返りが一体になった環境で育ってきた人が多く、この形と相性がよいはずです。
手順1. 教える対象を「作業」ではなく「判断」に絞る
最初にやるのは、教える範囲の切り分けです。手順書を読めば分かることは教えません。迷ったときにどう決めるかだけを教えます。ここを分けないと、教える側の時間が作業説明で埋まります。
- 手順書に書いてあること:読ませる。口頭で説明しない
- 書いていないが毎回決めていること:これが教える対象
- 本人が決めてはいけないこと:判断者の名前を明示する
手順2. 判断の基準を、その場で言葉にして残す
担当者は無意識に決めています。「この件は先に電話」「この金額なら上長へ」。頭の中にあるうちは渡せません。決めた直後に、なぜそう決めたかを一行で書き足します。書く場所は共有のメモで十分です。三か月続けば、それが教材になります。
よくある間違い
基準をまとめてから渡そうとすると、いつまでも渡せません。完成を待たず、決めた順に一行ずつ足します。
手順3. 同席を育成の時間として使う
新しい時間は作りません。すでにある打ち合わせ、訪問、電話に同席させます。ただし、聞かせるだけでは身につきません。前後に短い問いを置きます。
01
前に1分
「今日は何が決まれば成功か」を本人に言わせる。目的を持たずに同席させない
02
後に3分
「どこで判断が分かれたと思うか」を聞く。感想ではなく判断箇所を答えさせる
手順4. 教える役を複数人で回す
一人に任せると、その人の繁忙期に育成が止まります。曜日で担当を分けるか、案件の種類で分けます。担当が変われば基準のぶれも見つかります。ぶれは悪いことではありません。会社として決めていない箇所が見えた、という合図です。
No
起きたこと
次にやること
01
担当者によって指示が違う
どちらが正しいかを上長が決め、共有メモに追記する
02
新人が同じ質問を繰り返す
答えた内容が書き残されていない。記録の場所を一つに決める
03
質問が出てこない
同席の後の問いを、感想ではなく判断箇所に変える
手順5. 到達点を日付で決める
育成が続かない最大の理由は、終わりが見えないことです。「一人でできるようになったら」では期限になりません。日付と行動で書きます。四週目に何を一人でやるのか、十二週目に何を任せるのか。決めておけば、教える側も逆算できます。
Before
三か月で独り立ちできるよう、先輩が丁寧に指導していきます。
After
四週目から見積書を一人で作成。十二週目から既存顧客の訪問を単独で担当。基準は共有メモに記載し、担当は週ごとに交代。
面接設計のご相談も承ります。
要件を伺った時点で、ご紹介できる見込みがあるかを正直にお伝えします。完全成果報酬です。
明日から動かすための一手
全部を一度に始める必要はありません。今週やるのは、手順2の一行メモだけで十分です。判断した直後に理由を書く。これを現場の二人に頼みます。書き溜まった内容を月末に読み返せば、自社が何を教えていないかが分かります。教える人を探す前に、教える中身を外に出すことから始めます。
就活・転職グランドスラム編集部
最終更新 2026.09.26
