自己PR・ガクチカ
2026.10.31 公開
読了 3分
怪我で競技を離れた期間を、
どう書くか
怪我で練習に入れなかった時期は、隠すと経歴が飛び、美談にすると中身が消える。書くべきはその期間に何を判断したかです。判断を取り出す手順を四つに刻み、最後に書き換え例を一つ置きます。
隠すと飛び、美談にすると消える
離脱期間の書き方は、二つの方向に崩れやすい。一つは書かないこと。経歴に空白ができ、面接官はその空白を質問に使う。もう一つは「苦しかったが仲間に支えられた」で終わらせること。感情だけが残り、あなたが何をしたかは残らない。
どちらも、読み手が知りたいことに答えていない。読み手が見たいのは、動けない条件下であなたが何を選んだかです。選択の跡が残っていれば、競技の話は仕事の話に変わる。
手順1. 離脱の期間と制約を一行で書く
まず事実だけを書き出す。期間、できなかったこと、できたこと。この三つです。評価も反省もまだ入れない。
- いつからいつまで、どれくらいの長さだったか
- 体のどの動きが禁じられていたか(走る、投げる、跳ぶなど)
- その状態でも可能だった行動(移動、記録、会話、座学)
ここで「できたこと」を一つも書けない人はいない。制約の裏側には、必ず手が空いた時間がある。その時間の使い道が、次の手順の材料になります。
手順2. 判断した場面を三つ拾う
期間を眺めても何も出てこない。出てくるのは「場面」です。迷って、どちらかを選んだ瞬間を三つ思い出す。小さくていい。
01
時間の配り方
治療と学業と、チームへの関与。どれを削り、どれを残したか。削った理由まで思い出す。
02
関わり方の変更
練習に行くか、行かないか。行くなら何をする役で入るか。自分で決めた部分を探す。
03
復帰の線引き
いつ戻ると決め、何を達成条件にしたか。周囲の判断に従った部分と、自分で判断した部分を分ける。
三つ揃わないときは二つでいい。無理に数を合わせるより、思い出せる場面を濃く書くほうが通る。
手順3. 判断を仕事の言葉に置き換える
置き換えは、競技の固有名詞を消す作業です。ポジション名も大会名も抜いて、同じ文が成立するか試す。成立しなければ、その文はまだ経験の説明になっていない。
No
競技の中の行動
仕事の言葉
01
動けないので記録係に回った
自分の稼働条件に合わせて役割を組み替えた
02
相手の動きを映像で見続けた
現場に入れない立場から情報を集め、判断材料を作った
03
復帰時期を自分で決めた
回復の状況を見ながら工程を引き直した
04
後輩に自分の失敗を伝えた
自分の経験を、他人が使える形に整理して渡した
よくある間違い
「怪我のおかげで人の気持ちが分かるようになった」で締めないこと。気持ちの変化は確かめようがなく、面接で追加の質問が来ない。追加の質問が来ない文は、評価の材料にならない。
手順4. 復帰後に何が変わったかを一つだけ足す
判断を書いたら、その結果を一つ足す。全部書く必要はない。復帰後の練習の進め方、周囲への頼み方、記録の取り方。離脱前と比べて変えたものを一つ挙げれば足りる。
ここで数字を作らないこと。測っていない数字は、質問されたときに崩れる。測った記録があるなら書き、ないなら行動の変化だけを書く。
書いたものを、一度見てもらえます。
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書き換え例
手順1から4を通すと、文はこう変わります。
Before
大きな怪我で半年間離脱しました。悔しい思いをしましたが、仲間の支えがあって復帰できました。この経験から、諦めない大切さを学びました。
After
走る動作を禁じられ、半年間練習に入れませんでした。その間、治療と学業の時間を先に固定し、残りを練習の記録に充てると決めました。自分が入れない日の内容を書き残し、週の終わりに後輩へ渡す形にしました。復帰後も記録を続け、自分の調子を人に説明できる状態を保っています。
後の文には、禁止された動作、決めた配分、作った仕組み、続けている行動がある。どれも質問できる。質問が来れば、面接はあなたの話で進みます。
今日やることは一つ。手順1の三行を紙に書くことです。期間、できなかったこと、できたこと。そこから先は、思い出した場面を並べるだけで文になります。
就活・転職グランドスラム編集部
最終更新 2026.10.31
